焼成で出てしまうCO2を減らしたい
COJ: 事業内容と今回のカーボンオフセット対象の商品について教えてください。
一般の食器全般、プレミアム食器、陶磁器の製造と販売をしています。
今回はカタログギフト販売のシャディさんと共同開発した、
陶磁器類の生産工程において発生するCO2をオフセットしています。
製品1個あたりの製造時CO2排出量相当分のオフセットを付与して、現在まで22トンを購入済みです。
COJ: 今回の取り組みへの経緯を教えてください。
わたしどもは「美濃焼」と呼ばれる陶磁器を製造している工場です。
毎日24時間お盆とお正月以外は1年中、焼成炉を止めることなく稼働させます。
常に1300℃の高温で炉を維持するため、大量のガスを使わざるを得ません。
この焼成をやめればCO2削減になりますが、それでは事業が成立しません。
わたしたちだけの努力ではCO2削減には限界がある産業なのです。
陶磁器食器の成形から焼き上がるまでの工程 (画像をクリックすると拡大表示されます)
2年ほど前にカーボンオフセット付き年賀はがきを見て、その言葉の存在を知りました。
カーボンオフセットなら商品の付加価値にもなるし、
また他者からでも排出権の権利を買えば環境貢献につながるのではないかと考え、
導入を検討しはじめたのです。
カーボンオフセットをネットで調べたところ、一番上にヒットしたCOJさんに連絡をとり、
おつきあいが始まったという次第です。
COJさんにはわたしどもだけでなく、シャディさんの方にも出向いていろいろ説明をしていただきました。
シャディさん側もカーボンオフセットという仕組みに関心があったようで
「これなら」と納得して導入を決めてくださいました。
カーボンオフセットが広く伝わるには
COJ: 社外の反応はいかがですか。
シャディさんのカタログのページに、カーボンオフセットの仕組みの説明などを記載していただいています。
当初は珍しさもあってかマスコミにも取り上げられましたが、
一般的にはカーボンオフセットといってもまだ認知度が低いように思われます。
目に見えない活動ですからお客様に理解してもらうのも難しいことがあります。
例えばプレミアム関係の商品を扱ってくださるお客様なども、
はじめは関心を示してくださるのですが、最終的にカーボンオフセット付きの意義をあまり感じてもらえず、
普通の商品を選ばれてしまうケースもあります。
環境貢献に強い意識がないと難しいのだな、と感じることもしばしばです。
国が主導的にこうした取り組みを行ってくれると、広く認知されるのではないかなと思います。
また、最近ではカーボンオフセットについて取り上げるメディアが、
以前に比べると少なくなったように感じます。
いろいろなところでこの話題を扱ってもらい、人々の関心が集まってくれればと願っています。
次世代に向けていまできることを
COJ: 社内で環境に対する行動は何かされていますか。
省エネ活動はできるだけ行うようにしています。
陶磁器を作る際に使うたくさんの機械類のエネルギー源は灯油やガスが多いのですが、
できるだけ電気で稼働するものにシフトする努力をしています。
また、試験段階ではありますが、
官民が協力し焼成燃料を減らすことができるマイクロ波焼成の実用化実験にも参加しています。
COJ: 小林さんご自身は環境問題についてどう思われていますか。
以前4年間、中国の陶磁器工場にいたことがあります。
いまの中国は日本がかつて高度成長期に行っていたようなやり方で工場を稼働しています。
環境に配慮しない生産を続けているため、自然破壊も進み海や河川も汚れていきます。
その状態を目の当たりにして、憂いを感じ、
あのような状態にもう二度と戻りたくない、と改めて思いました。
現在の日本では環境負荷を減らすよう、各企業が努力を重ねており、
一見環境を大事にしているように見えます。
しかしまだ不十分だなと感じてしまいます。
目に見える、例えば工場排水などの問題は解決しても、目に見えないCO2の問題は未解決だなと思うのです。
わたしたちが地球上に存在し、生産活動を続ける限り環境には負担がかかりますが、
わたしたちも生きていかねばならないわけです。
わたしたちが地球環境とうまく共存するためには、
生産の現場でも出来る限りの環境負荷を減らすための努力を続けていかねば、と思うのです。
COJ: 今後の展望、やりたいことなどについて教えてください。
食器だけでなく、今後はキッチンウェア系のエコ製品、
省エネ製品販売にも力を入れていきたいと思っています。
そしてそれらの商品にもカーボンオフセットを付与したいと思います。
カーボンオフセットという取り組みも環境貢献への一つの手段ですが、
実際にわたしどもがCO2を減らしているわけではありません。
ですから自分たちの見えるところで何かできればいいなと思います。
例えば太陽光発電や風力発電を社内で取り付けたり、私事ですが米作りを昔から行っておりますので、
農業とセットで工場経営を行うなど、他の手段に頼るだけでなく、
自ら「こうした環境によいことに取り組んでいる」という、目に見える確かな行動を起こしたいのです。
それが仕事へのやりがいや生き甲斐にもつながるのではないか、と思います。
中国やアジア諸国の台頭により日本国内の陶磁器産業はいまとても厳しい時代にあります。
わたしは、大量生産ではなく、少量生産だからこそそこにしかない、
本当にお客様が欲しいと思える商品を大事に作っていく、
というものづくりが将来できればと考えています。
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