環境と共生できる仕事がしたい
COJ:エコツーリズムの会社を起業されたいきさつを教えてください。
小さいころから海外生活が長く、いつも自然の多い環境で育ちました。
アメリカにいたころはカリフォルニアのレッドウッド国立公園のそばに住んでいたり、
海や山は自分にとってとても身近な存在でした。
大学では海洋学を専攻、海と接する時間も多く、海の不思議や恵みを常に感じていました。
大学卒業後、日本の設計事務所に就職しましたが、日本のバブルがはじけそうな時代で当時、
環境アセスメントなんて言葉は無いに等しく、大規模な開発事業などで山が削られ、
海はコンクリートで固められていくさまを目にするようになりました。
自然との共生を考えず、人間のやりたい放題に自然を破壊していく仕事に疑問をおぼえ、その仕事から離れました。
その後、省エネルギー産業の会社の通訳をして貯めたお金で世界一周の旅に出かけました。
旅行中にダイビングをやりたいと立ち寄ったコスタリカで、ジャングル探検ツアーのようなものに参加したのです。
それがいわゆるエコツアーでした。
その旅行会社はただツアーを行うだけでなく、得た料金を使って学校のない地域の子供たちのために学校を建てたり、
自然保護活動をしているのです。これは面白い、と思いました。
コスタリカは軍隊もない平和な国で、観光業にお金をかけているエコツーリズム先進国なのです。
結局1年半くらい滞在し、その間にコスタリカでエコツーリズムの仕組みをみっちり勉強しました。
これを日本でもやってみたいと帰国し、今年の6月から旅行業としてスタートしました。
日本でも本物のエコツーリズムを
COJ:オフセット導入のきっかけは?
わたしは現在ワシントン、国際エコツーリズム協会(TIES)の理事もやっているので、
必然的に世界のエコツーリズムの動向も知っていますし情報も集まります。
エコツーリズムを行う上で大切なことは環境にやさしい、ということです。
旅行会社はお客さんを移動させ、宿泊させることが仕事です。
もちろんそこにはCO2が必ず発生します。
海外のエコツーリズム業界では、出たCO2をオフセットすることは今や当たり前です。
日本ではまだカーボンオフセットが浸透しているとはいえない状況ですが、
こちらで仕事をするなら日本の排出権取引に参加したいしカーボンオフセットは必須と考えていました。
カーボンオフセットを扱う団体が現れないかなと思っているところにCOJさんが登場、
日本でもやっと出来た!とうれしく思っています。
中間法人だしお金の流れも透明性があると考えて選びました。
12月から本格的にはじまる徳島、富士山、阿蘇のツアーで合計4トンのオフセットができればと目標を掲げています。
海外のお客様の厳しい評価がチャレンジに
COJ:どのようなエコツーリズムを展開していきたいですか?
「エコツーリズム」という言葉は単なる「エコツアー」だけではない意味合いがあります。
自然環境に配慮した少人数によるツアーを中心にその土地の伝統文化に触れ、
またそこから地元に雇用が生まれるなど地域産業の活性化にもつながる旅行を目指します。
地元が活気づき、旅行者たちもまるで親類や友人の家を訪れるようなアットホームなもてなしを受けることができる、
友人としてまた来たいと思える旅行を提供したいのです。そのために地元との話し合いは綿密に行っています。
海外ではエコツーリズムに対して公的な審査があり、また認定制度も整備されています。
そういう本物のエコツーリズムを知っているお客様方は日本でも同レベルのツアーを要求してくるでしょう。
これが私たちへの試練にもチャレンジにもなるのです。
そして日本におけるエコツーリズムの質の向上にもつながると考えています。
カーボンオフセットに対する興味も様々で、どういう仕組みでオフセットされるのか、
具体的に植林などをしているのかなど、深く聞いてくる方もいます。
私たちのツアーの姿勢は安ければいいというものではなく、高価格ですが品質の高い旅を提供することです。
お客様も当然そうした旅行を求めてこられます。
海外で目の肥えたお客様相手ですから環境配慮に関しても手抜きをすることはできないのです。
COJ:これからの長期ビジョンを教えてください。
日本でも観光庁が10月に発足し、これからどんどん海外の人が日本に入ってくるでしょう。
安くてただ名所を見ればいいという旅行ではなく日本の本当の良さを知ってほしいと思います。
そのためにマーケットとなる拠点を増やしていきたい。
またエコツーリズムに賛同してくれる人が増え、真の「環境と受入地域にいい旅」を知ってほしいと願っています。
また自然保護など具体的な策を実行している旅行会社のモデルになりたいとも考えています。
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