当初から環境NGOをサポートした商品
 
  
          COJ: 今回の排出権取得対象商品について教えてください。 
          わたしどもではノベルティ商品として主にエコバッグ製品を取り扱っています。
            無地生地のエコバッグ、エプロン、ブックカバーから、環境NGOサポートアイテムとしまして、
            さまざまな環境NGO団体と協力してそのロゴマークを印刷したエコバッグなどを取り扱っています。
            お付き合いのある団体は(財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)、
            日本野鳥の会、国際イルカ・クジラ教育リサーチセンター(アイサーチ・ジャパン)、
            国際環境NGO FoE Japanです。そのすべての製品に対し排出権取得を充当しています。 
          
          
          COJ: 排出権取引に至るまでの経緯を教えてください。 
          もともと環境配慮商品としてエコバッグを販売していたのですが、
            近年のエコブームでエコバッグの需要も伸びていき、またCO2削減に対する社会の追い風もありました。
            エコバッグは他社さんでも扱っているので、何か差別化を図ろうとは考えていました。
            環境NGOのサポートとしてそのマークを印刷したバッグ販売などを始めていましたが、
            それだけではなくプラスアルファはないかと探していました。
            そんなときにカーボンオフセットの取り組みを知り、
            エコグッズとオフセットの組み合わせで付加価値をつけようと考えました。
            カーボンオフセットという取り組みをつけることで環境NGOの方のイメージアップにも、
            またこのノベルティを扱う企業の方も環境配慮を謳える、というメリットが生まれました。 
           
          
          当初から環境NGOをサポートした商品
 
  
          COJ: 社外の反応はいかがですか。 
          わたしどものお客様は主にアパレルメーカーの方ですが、
            みなさん抵抗なくこの取り組みに賛同してくださっています。
            むしろ、メーカーさんの方からエコブランドを作りたい、提案してほしいといったご要望もあるくらいです。
            ただ、わたしどもの手を離れてから一般ユーザーの方までは距離があるため、
            消費者の声を聞く機会がなく、反応はわかりづらいものがあります。
            購入された商品がこうした環境配慮型のものなんだ、と個別にわかっていただけるといいなとは思っています。 
           
          
          カーボンオフセットアピールに工夫惜しまず
 
              
          COJ: カーボンオフセットの取り組みを始められてご苦労されている点はありますか。 
          そのころはまだカーボンオフセットという言葉もあまり知られていなく、
            仕組みもよくわからなかったので、何度も説明を聞き勉強しました。
            難しさを感じる点は、例えばわたしたち社内のものだけが理解しても不十分だということです。
            わたしどものお客様は卸業者さんたちです。
            その方々が商品を持って行った先で、カーボンオフセットについて正しく説明できないとならないのです。
            ですから社員たちでカーボンオフセットについての問答集を作ったり、
            またお客様の営業会議に参加してレクチャーしたりなど行っています。
            カタログに掲載している内容だと少し堅くて難しいので、そこをいかに砕いてわかりやすく説明するかがポイントです。
            カーボンオフセットの効果をわかっていただくのも工夫が必要です。
            排出権取引で動いたお金は実際にどこに使われているのかとよく聞かれまして、
            一部運用されているという韓国の風力発電の写真を我が社のカタログに掲載することにしました。
            このように具体的に提示する方がお客様にもアピールしやすいし、理解度も高くなることを実感しています。 
          
          COJ: 排出権取引の商品に対する反応はいかがですか。 
          みなさんカーボンオフセットということに興味を示されます。
            特に自治体などからは排出権取引が付与しているものが欲しい、といった声もよく聞かれます。
            自治体がこうした姿勢ですと、そこと取引をしている業者さんも興味を持ってくださいます。
            ただ、社会全体としてはまだ知らない方が多いかな、という感もあります。
            消費者の方々までに少しでも知っていただけるよう、バッグなどにつけているエコマークのタグの裏側に、
            オリジナルのカーボンオフセットマークを印刷したりなどしています。 
          また、排出権取引、CO2削減ということに関して国全体から見たとき、統一感がないように思えます。
            バラバラに個々に行うのではなく、
            国も企業も個人も一緒に取り組もうという勢いがないとなかなか普及しないのではないでしょうか。
            排出権取引対象商品の露出が増えて消費者たちがそうした商品を求めるようになれば、
            このような取り組みに参加したい企業も増えていくのではないかと思うのです。 
          
          
          
          長く続けることで成果は見えてくる
 
              
          COJ: 社内での反応・環境に対する考えにはどのようなものがありますか。 
          扱っている商品がエコバッグでリサイクルコットンを使っていたり、
            またはじめから環境NGOとも関係がありますから、みな関心はあると思います。
            細かい節電や省エネは当たり前に行っています。
            無駄なことはしないよう文房具なども大事に使うなど、
            ものを節約するというよりは意識として社員一同心がけています。 
          環境NGOとの取り組みも、例えばWWFさんとは10年おつきあいしてきて、
            最近ようやくみなさんにその取り組みを評価していただけるようになったと思います。
            カーボンオフセットに関しても広く認知されるのに時間がかかるかもしれませんが、
            やり続けることに意味があると思っています。
            また、カーボンオフセットも身近に目標が定まっていればおもしろいのではないかと思います。
            「今年の排出権取引では〜をします」といったようにです。
            どこまでコントロールできるのか、難しいでしょうがそうした目標があれば、
            この運動がより明確に伝わるでしょうし、全体のやる気にもつながるかと思うのです。 
           
          
          
          COJ: 今後の課題ややりたいことはありますか。 
          先ほども述べましたが、まずはこの取り組みを継続していくことです。
            長い目で見て続けていけばきっと成果が見えてくると思っています。
            次には、カーボンオフセットの取り組みが伝わりやすい表現を考えるということです。
            適切な説明ができるよう努力することや、スローガンやビジュアルでわかりやすく表す方法を考えること。
            排出権取引が付いている商品だけを集めたカタログを作成してみようかとも思っています。
            あとはやはりこの取り組みを宣伝し、広めていくことです。
            排出権取引についての展示会を催すなどイメージアップにつなげていきたいと考えています。 
           
          
          
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